江國香織さん [本]
高校んときからはまりましたねぇ。
恋の話ばっかだけど、全作通じて雰囲気は一面の曇り空そのもの。
女の子特有のシニカルさ、かつ湿気を帯びた主人公満載。
読後すがすがしい気分になったやつって、多分1冊もないと思う。
ではなんでそんな江國さんにはまりこんだかというと
内容というよりは(すみません)
ときどき胸を貫通するかと思うぐらいに共鳴するフレーズが出てくるからです。
例えば
じっとりと汗ばむほどの悪夢にうなされたあと
足先でシーツの感触を辿ることで
意識を現実に引き戻そうとしたりとか(冷静と情熱のあいだrosso)。
何一つ難しい言葉でこねくり回した表現なんか出てきません。
簡単なことばを使った、ひどく単純な表現が多いです。
でも普段ものごとのすきまにわたしが落としていた
小さなかけらのような記憶を「はい」って差し出されるかんじ。
それは感触だったり感情だったり衝動だったり味だったりにおいだったり・・・
その対象がちっぽけなものであればあるほど感嘆してしまいます。
なんでそんな的確にこんなこと言い当てれるんだろう、この人。。。ほんとすごい。
ずいぶん長いこと読んでますけど
新旧問わずわたしのかけらの宝庫(笑)。いつも必ず感嘆してます、はい。
こういう視点は江國さんの性格なんでしょうか。
読後はいつも
差し出されたかけらを並べて、内省にいそしんでしまいます。
本の内容に思いを馳せることは。。。あんましないっす、実は(笑)。
こういう「好き」ってゆがんでる、かなぁ?
私も彼女の作品大好きです。
特に、というか、圧倒的に好きなのは「きらきらひかる」。
読み返すた度に、それぞれのキャラに感情移入しちゃうんだよね~
by ピカチュウ (2005-04-05 21:17)